HPCとは? AIとの関係性や業界ごとの用途例
大学や国立研究所、大手企業の一部でしか活用されていなかったHPC(High Performance Computing:ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)が、さまざまな分野に活用されはじめています。一般企業でも、AIに関わる業務に活用されるケースが増えつつあるようです。
「社内の業務でHPCを活用したい」「具体的にどのように使われているのかを知りたい」このようにお考えの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、HPCとAIの関係性から、AI分野での活用例まで詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.HPCとは
- 2.HPCとAIの関係性
- 3.AI業界でのHPCの用途例
- 4.まとめ
HPCとは
HPCとは、大量のデータに対する演算処理を、高速で実行するシステムのことです。一般的なデスクトップパソコンは、毎秒数十億の計算を行うのに対して、HPCは1秒に数千兆の計算を行うことができます。
近年、4Gから5Gへの移行が普及したことで、通信速度が飛躍的に向上し、AIやIoTなどを活用したサービスも比例して使われるようになりました。従来のデータ処理速度では、AIやIoTの普及拡大に伴うデータ量がさばききれず、膨大なデータを高速で処理できるHPCが注目されるようになったというわけです。
HPCと同様に注目を集めているAIも、膨大なデータ量を処理する必要があります。双方の関係性は、後述にて詳しく解説します。
HPCとAIの関係性
HPCは、AIがさらに進化することに大きく貢献しています。
AIの進化には、大量のデータを使った繰り返し学習が必要ですが、その大量のデータを処理・学習させるには膨大な手間と時間がかかってしまいます。その点、HPCを活用すれば、もとのデータを10倍、20倍とさらに増やしたとしても、短時間で処理することができ、エラーが起こる確率も低いです。
HPCとAIを組み合わせることで、これまで難しかった実験や、大量のデータの分析も可能となり、AIが格段に進歩していくことが予想されます。
AI業界でのHPCの用途例
HPCはすでにさまざまな業界で利用されています。ここでは、業界ごとにどのような用途でHPCを用いているのかを紹介します。
①金融サービス業界
金融サービス業界においては、サイバー攻撃や不正行為といった多種多様な課題を改善すべく、HPCで多くのデータを分析・評価しています。
HPCは、株価動向のリアルタイム分析や取引時のリスク分析など、取引の自動化に有効です。クレジットカード取引時にリアルタイム分析を行うことで、不正取引の検出に役立てられています。
②医療業界
HPCは医療業界にも進出しており、創薬や治療法の開発に用いられています。
たとえば、2019年頃から世界各地で流行した新型コロナウイルスに対しては、新薬の開発や、飛沫感染予測シミュレーションの研究などで貢献しています。専門家がデータを正確に分析することで、革新的な治療法の開発や医療過誤の兆候探知などを実現しました。
③防災問題
災害大国である日本は、地震や津波などが起こったときに、どの程度の被害が生じるのかを事前に確認しておく必要があります。
防災問題においては、大規模地震や津波に対する被害状況を推定するべく、HPCとAIを用いて被害シミュレーションの結果の分析に有効利用されています。台風の発生予測のシミュレーションに活用されているのもその例です。
自然災害が発生した場合にも、被害を最小限に留められるように、安心・安全な経済効果に役立てられています。
まとめ
この記事では、HPCとAIについて以下を解説しました。
- HPCとは
- HPCとAIの関係性
- AI業界でのHPCの用途例
HPCは、大量のデータを高速で処理できるシステムとして注目を集めており、AI業界でも取り入れられています。HPCの活用によって、AIの学習に必要なデータ量を、ミスを減らして短時間で処理することが可能です。
金融サービス業界や医療業界、そして日本国内の防災問題にも、HPCとAIは活用されており、今後もさまざまな開発に取り入れられることが予想されます。
なお、自社でHPCを活用するには、サーバーが必要です。大量のデータを処理するための体制を自社で管理するのは困難なため、MCデジタル・リアリティのコロケーションサービスをぜひご活用ください。
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