サーバーのマイグレーションとは? サーバー移行のやり方やメリットも解説
サーバーを長期間使用していると、老朽化や容量不足などを起因として、動作速度の低下をはじめとするさまざまなトラブルが発生します。突然、サーバーが故障してしまうと、保管されているデータ・ファイルを開けなくなり、事業に影響を与えるおそれもあります。
そのようなトラブルを未然に防ぐ対策方法として、サーバーの“マイグレーション”が挙げられます。
しかし「マイグレーションについてよく知らない」「どんなメリットがあるか知りたい」というサーバー管理担当者もいるのではないでしょうか。
本記事では、サーバーのマイグレーションとは何か、メリットや実施手順についても解説します。
目次[非表示]
- 1.サーバーのマイグレーションとは
- 2.サーバーのマイグレーションとコンバージョンの違い
- 3.サーバーのマイグレーションを実施する3つのメリット
- 3.1.➀サーバー障害を防げる
- 3.2.②コスト削減を図れる
- 3.3.③セキュリティ対策になる
- 4.サーバーのマイグレーションの手順
- 5.まとめ
サーバーのマイグレーションとは
マイグレーションとは、移行・移動を意味しており、サーバーを新しい環境に移行することを指します。
例えば、オンプレミス環境にあるサーバーをクラウドサーバーに移行したり、別のオンプレミス環境に移動したりすることをマイグレーションといいます。サーバーを再構築する必要がないため、移行中も使い続けられる点が特徴です。
サーバーのマイグレーションは、システムが老朽化している、データ容量に余裕がない、セキュリティを強化したいといった場合に実施します。
サーバーのマイグレーションとコンバージョンの違い
マイグレーションとよく似た手法に、コンバージョンがあります。移行する際にサーバーの中身が変わるかという点で違いが見られます。
コンバージョンとは、変換・転換を意味する用語で、サーバーの移行時に、別のフォーマットや形式に変換することを指します。
一方で、マイグレーションはシステムやデータの形式は保持したまま移行します。
サーバーのマイグレーションを実施する3つのメリット
サーバーのマイグレーションを実施することで、企業にもたらされる3つのメリットを解説します。
➀サーバー障害を防げる
1つ目は、システムの老朽化によるサーバー障害を防ぐことです。
サーバーの耐用年数として、国税庁のホームページでは“5年”と記載されています。
平成13年度の税制改正により、電子計算機の耐用年数について、改正前は6年であったものが、パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く。)については4年、その他のものについては5年に短縮されたため、LAN設備全体を一つの耐用年数とすることについては、個々の法人の事情に応じてLAN設備の構成は区々であり、また、その主要な構成要素である電子計算機の耐用年数も2種類となったことから、一律に何年といった耐用年数を加重平均して算定すること自体が困難となったこと。
引用元:国税庁『LAN設備の耐用年数の取扱いに関する質疑応答』
老朽化が進むと、システムが異常を起こして稼働停止・データ破損、または処理能力の低下などが懸念されます。
異常が発生していなくても5年を目安に、サーバーのマイグレーションを実施して、最新システムに移行することでトラブル防止につながります。
これにより日々のサーバーの安定稼働が実現します。
出典:国税庁『LAN設備の耐用年数の取扱いに関する質疑応答』
②コスト削減を図れる
2つ目は、新たにサーバーを再構築する必要がないため、コスト削減にも貢献できます。
既存のサーバーのシステム内容をそのまま利用するため、新たに構築するコストだけではなく、古いサーバーのメンテナンス費の削減にもつながります。
使用しているシステムがサポート期間を過ぎた場合は、自社で保守・運用を行わなければならず、人件費もかかります。しかし、マイグレーションを実施することで、初期費用や保守・運用コストの削減も図れます。
③セキュリティ対策になる
3つ目のメリットは、セキュリティ対策につながることが挙げられます。
老朽化したシステムやソフトウェアを使い続けた場合、メーカーのサポート期間を過ぎてしまうことも少なくありません。サポートの終了後はシステムやソフトウェアのアップデートも行われないため、セキュリティ面でのリスクが増大します。
マイグレーションを行えば、システムやソフトウェアを最新の状態に保てるため、セキュリティ強化にもつながります。
また、自社のサーバールームからデータセンターへ移行した場合は、24時間有人監視体制に加えて、生体認証・カードリーダ・鍵などを組み合わせたセキュリティによって、より安全な環境でサーバーを保管できます。
サーバーのマイグレーションの手順
サーバーのマイグレーションの具体的な手順についてオンプレミスからクラウドへのマイグレーションを例に解説します。
▼サーバーのマイグレーションの手順
- 企画・計画
- 分析
- PoC(実証実験)
- 設計・移行
- 運用改善
サーバーのマイグレーションを実施する際、企画・計画を立て、マイグレーションの目的や、どのデータを移行するのかを明確にします。
分析の段階では、移行先であるクラウドの要綱を確認して、移行に必要なアクションや工程をリストアップします。
設計・移行を行う前には、PoCの実施が必要です。PoCでは、実際のサービスの利用と絡めながら、プラットフォームの問題点を洗い出します。
PoCの内容を踏まえて、新しいサーバーの設計・移行を行えばサーバーのマイグレーションは完了です。サーバーを実際に稼働させて、運用改善を繰り返しながら問題点を修正します。
なお、自社サーバーをクラウドへ移行するメリットについては、下記記事でも詳しく解説しております。併せてご一読ください。
まとめ
この記事では、サーバーのマイグレーションについて、以下の内容を解説しました。
- サーバーのマイグレーションとは
- マイグレーションとコンバージョンとの違い
- マイグレーションを実施するメリット
- マイグレーションの実施手順
サーバーが老朽化してきた場合や、容量に余裕がなくなってきた際などに、マイグレーションを行うと、状況の改善が期待できます。
また、サーバーを新しい環境に移行できるため、システム全体の刷新を行えます。サーバー障害への予防策として有効であり、既存のシステムに手を加えないことでコスト削減にもつながります。
さらに、移行先としてデータセンターを選んだ場合、強固なセキュリティ環境でサーバーを保管できます。
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