サーバーのチーミングとは? メリットや設定手順を解説
健全な企業活動を行ううえで、社内外のデータ通信やシステムを支えるサーバーの安定稼働は欠かせません。サーバーの安定稼働を実現する方法の一つとして、サーバーのチーミングが挙げられます。
しかし、「サーバーのチーミングが何かが分からない」「メリットや具体的な設定手順を知りたい」とお考えの担当者さまもいるのではないでしょうか。
この記事ではサーバーのチーミングの概要やメリット、設定手順も解説します。
目次[非表示]
- 1.サーバーのチーミングとは
- 2.サーバーのチーミングの3つの種類
- 2.1.➀フォールトトレランス
- 2.2.②リンクアグリゲーション
- 2.3.③ロードバランシング
- 3.サーバーのチーミングのメリット
- 4.サーバーのチーミングの設定手順
- 5.まとめ
サーバーのチーミングとは
サーバーのチーミングとは、複数の物理的NIC(Network Interface Card:ネットワークアダプター)を束ねて使用する手法のことであり、チーミングを行うことで、ネットワーク帯域幅を増加させ、ネットワークの冗長性を向上させサーバーの安定稼働に貢献できます。
オンプレミスでサーバーを使用している場合、チーミングはサーバーの可用性を高めるために有効な技術です。チーミングを行わないと24時間の連続稼働ができず、メンテナンスのために定期的なシステムの遮断が必要です。また、通信速度が上がらず、サーバーダウンを始めとするトラブルに対しても脆弱であるというリスクを抱えたままになります。
なお、サーバーのチーミングには大きく3つの手法があります。詳細は次の段落で後述します。
サーバーのチーミングの3つの種類
ここでは、サーバーのチーミングの種類を3つ紹介します。
➀フォールトトレランス
フォールトトレランス(Fault tolerance)は、2つのNICのうち、片方を稼働系としてメインで使用して、もう片方を待機系として非常時に備えてスタンバイさせておく手法です。
万が一、通常使用している稼働系がトラブルでダウンしても、瞬時に待機系に切り替えられるため、サーバーダウンによる弊害を避けられるという利点があります。
なお、Windows Server®をご利用の場合、待機系の設定に条件がある点には注意が必要です。
②リンクアグリゲーション
リンクアグリゲーション(Link Aggregation)は、物理的に異なる複数のNICを束ねて、一つの論理的なリンクを形成する方法です。
サーバーへの負荷を均一に分散できるため、使用帯域の増大およびネットワークの冗長化を図れ、安定した通信を実現できます。
③ロードバランシング
ロードバランシング(Load Balancing)は、複数のNICを並列稼働させる方法です。
リンクアグリゲーションと同様に、負荷の分散を図れるため、サーバーの安定稼働を実現して、通信速度を向上させる効果も期待できます。
サーバーのチーミングのメリット
サーバーのチーミングにより、サーバーの耐障害性が向上して、安定稼働を図れるようになります。
例えば、NICの一つに物理的な損傷が発生した場合や、回線トラブルが発生した場合でも、サーバーがダウンすることなく継続稼働が可能です。加えて、定期的なメンテナンスでシステムを遮断する必要もなくなります。
さらに、使用帯域の増大およびLANネットワークを冗長化できる点も、メリットの一つです。これにより、通信速度の向上が期待できて、トラブル発生時の損失を最小限にとどめられます。
サーバーのチーミングの設定手順
ここでは、“Windows Server® 2019(※)”を例に、サーバーのチーミングの設定手順を解説します。具体的な設定手順は下記をご覧ください。
なお、ご利用環境によって、詳細は異なります。
▼サーバーのチーミングの設定手順(Windows Server® 2019)
- サーバーマネージャー→ローカルサーバー→NIC チーミング項目の「無効」をクリックする。
- チーム欄の「タスク」→「チームの新規作成」をクリックする。
- チーム名を入力→各項目の設定→「OK」をクリックする。
なお、自社でサーバーを構築するための事前準備は、こちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
※Windows Server®は、マイクロソフトグループの企業の商標です。
まとめ
この記事では、サーバーのチーミングについて、以下の内容を紹介しました。
- サーバーのチーミングとは
- サーバーのチーミングの種類
- サーバーのチーミングのメリット
- サーバーのチーミングの設定手順
サーバーのチーミングには3つの種類があり、それぞれ特性や注意点が異なるため、目的やお使いのサーバーの種類によって、適切なものを選ぶ必要があります。
サーバーのチーミングを行うと、サーバーの安定稼働を実現でき、耐障害性の向上を図ることが可能です。
また、使用帯域を増大させてLANネットワークを冗長化できるため、通信速度が上がり、万が一トラブルが発生した場合でも被害を最小限に抑えられます。
なお、自社のサーバー環境のさらなる改善をお考えの場合、データセンターの利用も検討してみてはいかがでしょうか。
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