マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いとは? メリット・デメリットも解説

マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いとは? メリット・デメリットも解説 

自社システムに適した環境を確保するために、マルチクラウドやハイブリッドクラウドの導入を検討している企業も少なくありません。

しかし、データ管理担当者のなかには「マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いが分からない」「どちらが自社に適しているのだろうか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの違いをはじめ、それぞれのメリット・デメリットを解説します。


目次[非表示]

  1. 1.マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違い
    1. 1.1.マルチクラウド
    2. 1.2.ハイブリッドクラウド
  2. 2.マルチクラウドとハイブリッドクラウドのメリット・デメリット
    1. 2.1.マルチクラウドのメリット・デメリット
    2. 2.2.ハイブリッドクラウドのメリット・デメリット
  3. 3.まとめ


マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違い

マルチクラウドとハイブリッドクラウドは、複数のサーバー・クラウドサービスを併用・組み合わせる運用形態ですが、それぞれ組み合わせる種類や相互接続の要否が異なります。


マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違い


マルチクラウド
ハイブリッドクラウド
運用形態
複数のクラウドサービスを併用する
クラウドサービスとオンプレミス、ハウジング(コロケーション)を組み合わせる
相互接続
クラウド間の相互接続が不要で、独立して運用する
相互接続を行い、一つのシステムとして運用する


マルチクラウド

マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスを目的に応じて使い分ける運用形態のことです。

工程別や1つの業務をフェーズごとに分けて、クラウドサービスを利用することで、それぞれのメリットを享受しながら最適な運用環境を実現します。

以下のような目的を持つ企業・部署で、マルチクラウドの導入がおすすめです。


▼マルチクラウドを導入する目的例

  • 1つのクラウドサービスに依存して起こるシステムダウンを回避したい
  • 本番環境とバックアップ環境を異なるクラウドサービスに構築したい
  • クラウドサービス利用のコストを削減したい


ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドとは、複数のサーバー・クラウドサービスを組み合わせる運用形態のことです。

マルチクラウドとの違いは、オンプレミスやハウジング(コロケーション)などのサーバー利用が挙げられます。また、1つのシステムとして複数のサーバー・クラウドサービスと相互接続が必要である点も異なります。


▼ハイブリッドクラウドの組み合わせ例

  • パブリッククラウド×プライベートクラウド
  • パブリッククラウド×オンプレミス
  • クラウド(パブリック・プライベート)×ハウジング(コロケーション)など


機密性の高いデータはオンプレミスやハウジング(コロケーション)で保管して、ほかのデータをパブリッククラウドで保管するといった活用方法があります。

なお、ハイブリッドクラウドの詳細については、こちらの記事をご覧ください。

​​​​​​​   ハイブリッドクラウドとは? 組み合わせの例と導入に向いている企業 企業で使用するパソコンには、顧客情報や未公開の経理情報、進行中のプロジェクトデータなど、さまざまな機密情報が保管されています。 そのような情報を安全に保管するために、自社運用のサーバーやクラウドサービスなどを利用することが一般的です。 しかし、利用にあたってコストやセキュリティ面での課題も挙げられます。 そこで、新たな方法として“ハイブリッドクラウド”が注目されています。データ・サーバー管理担当者のなかには、「導入を検討しているけれど、ハイブリッドクラウドにはどのようなメリットがあるか」「現在利用しているサービスと併用できるか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。 この記事では、ハイブリッドクラウドの概要や組み合わせの例、導入に向いている企業について解説します。 MCデジタル・リアルティ株式会社



マルチクラウドとハイブリッドクラウドのメリット・デメリット

マルチクラウドとハイブリッドクラウドには、それぞれメリット・デメリットがあるため、導入する前に把握しておくことが大切です。


マルチクラウドのメリット・デメリット

マルチクラウドのメリット・デメリットは、以下のとおりです。


▼マルチクラウドのメリット・デメリット

メリット
  • リスクを分散できる
  • 自社に必要な機能を導入できる
  • 1つのクラウドベンダー()への依存を防止して、サービス移行しやすい環境を維持する
デメリット
  • 利用サービスによっては、コストが増加する可能性がある
  • 自社独自のセキュリティ対策が行えない


マルチクラウドには、複数のクラウドを使用することで、自社に必要な機能を揃えられるというメリットがあります。また、クラウドベンダーに依存しないため、コスト増加に伴うサービス移行がしやすい点も一つです。

一方、保管するデータ量に比例して利用料が増加するサービスもあり、トータルで考えるとコスト増加につながる可能性があることもデメリットとして挙げられます。さらに、クラウドベンダー別でセキュリティ対策が異なるため、自社が希望するセキュリティ対策が備わっていない場合もあります。

※クラウドベンダーとは、クラウドサービスを提供する事業者のこと。


ハイブリッドクラウドのメリット・デメリット

マルチクラウドのメリット・デメリットは、以下のとおりです。


▼ハイブリッドクラウドのメリット・デメリット

メリット
  • リスクを分散できる
  • コストを最適化できる
  • 利用環境に合わせて柔軟に対応できる
デメリット
  • 運用・管理が複雑化する
  • 運用方法によっては、コストが増加する可能性がある


ハイブリッドクラウドのメリットとして、データ消失のリスク分散やコストの削減などが挙げられます。

たとえば、自然災害が発生した場合、オンプレミスやプライベートクラウドなどの自社サーバーで管理しているデータが消失する可能性もあります。そのような緊急事態でも事業継続できるように、パブリッククラウドやハウジング(コロケーション)にデータをバックアップしておくと安心です。

一方、複数のサーバー・クラウドサービスを組み合わせることで、管理項目が増えて、運用が複雑化しやすいというデメリットもあります。

なお、ハイブリッドクラウドのメリット・デメリットの詳細については、こちらの記事をご確認ください。

​​​​​​​   【IT環境の最適化】ハイブリッドクラウドのメリット・デメリット 企業は、顧客情報や従業員の個人情報、企画書など機密情報の適切な保管が必要です。 しかし、1つのサーバー・クラウドサービスで保管している場合、自然災害・緊急事態によるデータの消失や、サーバー運用・管理、クラウドサービス利用のコスト増大などのリスクが考えられます。 そのような課題解決方法として、ハイブリッドクラウドが注目を集めています。ハイブリッドクラウドとは、オンプレミスやクラウドサービス、ハウジング(コロケーション)など、複数のサーバー・サービスを組み合わせる運用形態のことです。 企業のサーバーを管理する担当者のなかには、「ハイブリッドクラウドの導入を検討している」「どのようなメリットがあるか知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。 この記事では、ハイブリッドクラウドを導入することで得られるメリットと押さえておきたいデメリットを解説します。 MCデジタル・リアルティ株式会社



まとめ

この記事では、マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いについて、以下の内容を解説しました。


  • マルチクラウドとハイブリッドクラウドの比較
  • マルチクラウドとハイブリッドクラウドのメリット・デメリット


マルチクラウドとハイブリッドクラウドの違いは、組み合わせるサーバー・クラウドサービスの種類と相互接続の要否です。自社のIT環境や利用目的に合わせて、運用形態を選ぶことが大切です。

MCデジタル・リアルティでは、マルチクラウド・ハイブリッドクラウドどちらも利用できます。どのようなIT環境の構築が自社に必要なのか悩んでいるという方は、お気軽にご相談ください。また、『インターコネクション』サービスでは、相互接続を通じて、データセンターの利用に最適なネットワーク環境をご提供しています。

MCデジタル・リアルティは、強靭かつ高セキュリティなデータセンターのスペース貸出(コロケーション)と24時間365日有人監視体制で、最適なサーバー環境を提供いたします。

自社管理やクラウド利用とコロケーションサービスのハイブリッドで運用されるケースも含め、貴社の状況に応じて最適なご提案をいたします。

サービスについてはぜひ右上の問い合わせフォームよりご連絡ください。
 なお、オンプレミスとクラウドの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

  オンプレミスとクラウドの違いやメリット・ デメリットを解説 ITシステムの構築・運用にあたり、オンプレミスやクラウド、ハウジング(コロケーション)などについて調べながら、どのような運用形態で行うか悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。この記事では、オンプレミス・ハウジング(コロケーション)・クラウド・ハイブリットクラウドの特徴や違い、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。 MCデジタル・リアルティ株式会社