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環境配慮型データセンターを示す指標と選定時の3つのポイント

地球温暖化をはじめとする環境問題の深刻化により、各企業には省エネへの取り組みが求められています。特に、データセンターのエネルギー消費量は、取り扱うデータ量の急増にともなって増加しているのが現状です。

そこで利用を推進されているのが、省エネ対策を実施している環境配慮型データセンターです。
あわせて、環境配慮型データセンターを利用するには、選定時のポイントを知っておく必要があります。

本記事では、環境配慮型データセンターを示す指標や、自社の利用における選定時の3つのポイントを解説します。


目次[非表示]

  1. 1.データセンターとは
  2. 2.環境配慮型データセンターであることを示す指標
  3. 3.環境配慮型データセンターを選ぶ際に確認したい3つのポイント
    1. 3.1.①効率的な空調方式を採用しているか
    2. 3.2.②空調設備が細かくコントロールされているか
    3. 3.3.③再生可能エネルギーが利用されているか
  4. 4.まとめ


データセンターとは

データセンターとは、コンピュータやサーバーをはじめとするIT機器を保管し、効率的に運用するために作られた施設のことです。

データセンターでは、多くの電力を消費しており、それにともなって発熱量も増加しています。なぜなら、コンピュータが、IT技術の進歩により増加した膨大なデータを処理しているためです。くわえて、サーバーを安全に運用するには、適正温度に保つための空調設備の稼働も不可欠です。

発熱量の増加は地球温暖化を進行させるおそれがあるため、データセンターにも環境配慮が求められています。


環境配慮型データセンターであることを示す指標

データセンターのエネルギー効率を示す指標として、PUE(Power Usage Effectiveness:パワー・ユーセッジ・エフェクティブネス)が挙げられます。PUEは、データセンターの施設全体の消費電力量(kWh)を、コンピュータやサーバーなどのIT機器の消費電力量(kWh)で割ると算出できます。

PUEの値が1.0、すなわちデータセンター全体で消費した電力量が、IT機器の消費電力と等しくなるのが理想です。しかし、実際にはIT機器の稼働以外にも、施設の照明や、サーバーから発生した熱を冷却するための空調設備にも電力を消費しています。そのため、PUEの値が1.0に近似するほど、データセンターの電力使用効率が高いとされます。

なお、資源エネルギー庁が公開している、データセンター業において目指すべき水準は“2030年までにPUE1.4を達成すること”です。

出典:資源エネルギー庁『データセンター業のベンチマーク制度の概要』p10


環境配慮型データセンターを選ぶ際に確認したい3つのポイント

地球環境への対策はもちろん、自社のイメージアップのためにも環境配慮型データセンターを利用する企業が増えつつあります。

そこでここからは、環境配慮型データセンターを選ぶ際に確認したい、3つのポイントを紹介します。


①効率的な空調方式を採用しているか

環境配慮型データセンターを選ぶ際に重視したい点の1つとして、空調方式の効率性が挙げられます。

サーバールームでは、IT機器の排熱を逃がすホットアイルと、IT機器を冷却する空気を通すコールドアイルに区切ったうえで、空気の流れを整える必要があります。なぜなら、ホットアイルとコールドアイルをレイアウトの工夫や断熱材の使用などによって明確に分けることで、冷却した空気を効率よくIT機器に供給できるためです。

サーバールームの冷却効率が向上すると、空調設備が消費する電力を削減できます。そのため、効率的な空調方式を採用しているデータセンターであれば、環境に配慮していると判断できます。


②空調設備が細かくコントロールされているか

空調設備を細かくコントロールする設備が整っているかどうかも、環境配慮型データセンターを選ぶ際に押さえておきたいポイントとして挙げられます。なぜなら、空調設備に使用する電力を削減できれば、PUEの値を下げられるためです。

具体的には、サーバーラックの電流値と温度分布をモニタリングできる設備が必要です。そのうえで、きめ細やかな空調制御をリアルタイムで行うシステムが組み込まれていれば、過剰に冷却されることなく、無駄な電力の消費を抑えられます。

データセンターの空調設備がこまめに調整され最適化されることで、消費電力が削減されます。このように空調設備が適切にコントロールされているという観点も、環境配慮型データセンターを選ぶ際の重要な基準です。


③再生可能エネルギーが利用されているか

再生可能エネルギーが利用されているかという観点も、忘れてはなりません。

データセンターで再生可能エネルギーの利用を実現するには、非化石証書つき電力()を継続的に調達する方法があります。非化石証書以外では、太陽光発電設備の設置も挙げられます。これらの取り組みが実施されると、CO2の削減につながり、化石燃料による電力使用量も減らすことが可能です。

なお、MCデジタル・リアルティのデータセンターでは、データセンター内で使用する電力を実質100%再生可能エネルギーに転換しており、環境に配慮しています。

このように再生可能エネルギーを積極的に利用している環境配慮型データセンターであれば、CO2や電力使用量の削減につながります。そのため、再生可能エネルギーの利用の有無でデータセンターを選ぶことも重要です。

※再生可能エネルギーなど非化石電源(石炭や石油、天然ガスといった化石燃料を使用せずに発電する電源)によって発電された電気の環境配慮の価値を証書化したもの。



まとめ

この記事では、データセンターについて以下の内容を解説しました。

  • データセンターとは
  • 環境配慮型データセンターであることを示す指標
  • 環境配慮型データセンターを選ぶ際に確認したい3つのポイント

データセンターは、サーバーなどのIT機器を保管し、効率的に運用するために作られた施設です。

データセンターのエネルギー効率を示す指標として、PUEがあります。PUEの値が1.0に近づくほど、データセンターの電力使用効率が高く、環境に配慮していると評価されます。

環境配慮型データセンターを利用するには、効率的な空調方式やきめ細かな空調制御が行われているかを確認することが不可欠です。また、MCデジタル・リアルティのデータセンターのように、再生可能エネルギーの利用の有無も重要です。

なお、安全なデータセンターに求められる立地条件については、以下の記事で詳しく解説しています。 

  データセンターの選び方! 立地条件で重要視されるポイントを解説 機密情報などを保管するデータセンターを選定するにあたり、自然災害に対する安全策が万全かどうかは、事前に確認しておきたい重要なポイントの一つです。この記事では、データセンターの利用を検討中の方に向けて、安全なデータセンターに求められる立地条件や万が一に備えた非常用電源の確保について詳しく紹介します。 MCデジタル・リアルティ株式会社


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