【サーバー監視・ネットワーク監視】トラフィックの増大による弊害と防止策
サーバーとネットワークを安定的に稼働させるためには、トラフィックを監視して、ネットワークのパフォーマンス低下や遅延の発生などの障害を検知することが重要です。
しかし、「トラフィックの増大が具体的にどのような弊害をもたらすのか分からない」「トラフィックの監視方法を知りたい」と考える企業担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、トラフィックの概要やトラフィックの増大による被害、防止策を紹介します。
目次[非表示]
- 1.トラフィックとは
- 2.トラフィックの増大による弊害
- 2.1.➀ネットワーク遅延の発生
- 2.2.②ネットワークダウンの発生
- 3.トラフィックの増大による弊害を防止する方法
- 4.まとめ
トラフィックとは
ネットワーク上のトラフィック(Traffic)とは、コンピュータやネットワーク回線において、一定時間当たりにやり取りされるデータ通信量のことです。英語で“交通量”を意味しますが、ネットワーク回線内を行き来するデータ量を車が走る道路にたとえていることが由来となっています。
トラフィックを表す単位は、bps(Bit Per Second:ビット・パー・セカンド)です。たとえば、4bpsは、1秒間に4bitのデータ量が回線内を流れるという意味です。
なお、回線内を行き来するデータはパケットと呼び、パケット量が増えることを、“トラフィックが増大する”といいます。
トラフィックの増大による弊害
トラフィックの増大は、Webサイトへのアクセス集中や、大きなサイズのファイルのやり取りなどによって起こります。トラフィックが増大することによる弊害としては、次の2つが挙げられます。
➀ネットワーク遅延の発生
1つ目は、ネットワーク遅延の発生です。
データを処理するネットワーク機器は、パケットを順番に処理します。処理しきれないパケットは“バッファー”と呼ばれる場所に集められて、処理を待ちます。トラフィックが集中して混雑することを輻輳(ふくそう)といいます。
輻輳が発生して、処理しきれないパケットの総量がバッファーの処理能力の限界を超えた場合、これらのパケットは廃棄されます。この状況をパケットロスといい、ネットワーク遅延の原因の一つとなります。
具体例として、特定のWebサイトへの訪問者が増えてアクセスしづらくなるというケースが挙げられます。
②ネットワークダウンの発生
2つ目は、ネットワークダウンの発生です。
Webサイトへ大量のアクセスが集中してトラフィックが増大すると、輻輳が発生してWebサイトがダウンすることがあります。トラフィックの増大によるトラブルの発生を未然に防ぐためには、トラフィックを常に監視することが重要です。
また、サーバーのトラブルに関しては、下記の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
トラフィックの増大による弊害を防止する方法
ネットワークの遅延やダウンを防止するためには、トラフィックを監視して、輻輳の発生原因を分析したり対策を講じたりすることが大切です。
トラフィックを監視する有効な技術としては、以下の3つが挙げられます。
▼トラフィックの監視技術
監視技術 |
概要 |
詳細 |
SNMP (Simple Network Management Protocol:シンプル・ネットワーク・マネジメント・プロトコル) |
TCP(Transmission Control Protocol:トランスミッション・コントロール・プロトコル)やIP(Internet Protocol:インターネット・プロトコル)といった標準的なネットワークプロトコルに接続されている機器を監視できるトラフィックの監視技術 |
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パケットスニファ |
ネットワーク機器と、ネットワークの接続部分を監視・分析できる監視技術 |
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WMI (Windows Management Instrumentation:ウィンドウズ・マネジメント・インスツルメンテーション) |
Windows製品の通信状況に関する情報の取得が可能な監視技術 |
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これらのほかにも、データセンターの利用により、トラフィックの増大を防ぐことも可能です。
ネットワーク回線で一定時間に送受信できるデータの総量である“帯域幅”を十分に確保できれば、トラフィックの増大によるネットワーク障害を防止できます。
十分な帯域幅を確保しているデータセンターを利用することで、トラフィックの増大による弊害を防止します。
まとめ
この記事では、サーバーのトラフィックについて、以下の内容を解説しました。
- トラフィックとは
- トラフィックが増大することによる弊害
- トラフィックの増大による弊害を防止する方法
トラフィックの増大は、ネットワーク遅延やネットワークダウンなど、さまざまな弊害の原因となります。
このような弊害を防止するためには、SNMPやパケットスニファなどの技術を活用して、トラフィックを常に監視することが欠かせません。また、データセンターを活用して帯域幅を確保することもトラフィックの増大への事前対策として有効です。
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