データセンターのコロケーションサービスとは?
データセンターとは、サーバーやネットワーク機器などを設置・運用する専用の建物のことです。建物内部は、大容量電源や通信回線、温度を調整する冷却装置などの設備が導入されており、IT機器を安定的に設置・運用できる環境が整っています。
データセンターのサービスにはいくつか種類があり、“コロケーションサービス”はそのうちの一つです。
データ・サーバ管理担当者のなかには「コロケーションサービスとほかのサービスの違いが分からない」「コロケーションサービスのメリットを知りたい」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、コロケーションサービスのメリットや、データセンターのほかのサービスとの違いを解説します。
目次[非表示]
- 1.コロケーションサービス(ハウジング)とは
- 2.コロケーションサービスとほかのサービスの違い
- 3.コロケーションサービスのメリット
- 3.1.①セキュリティ性が高い
- 3.2.②BCP対策に有効
- 3.3.③コストの最適化につながる
- 4.まとめ
コロケーションサービス(ハウジング)とは
コロケーションサービスとは、データセンター内のスペースを借りてサーバーを設置できるサービスのことです。一般的にハウジングサービスと呼ばれることもあります。
データセンターに自社のサーバーを設置することで、自社にサーバーを設置するスペースを確保する必要がなく、サーバーを安全に管理できます。また、データセンターによっては保守管理や点検まで行うサービスも提供しています。
コロケーションサービスとほかのサービスの違い
データセンターのサービスは、コロケーション(ハウジング)のほかにスケールやホスティングなどがあります。
ここでは、コロケーションサービスと各サービスとの違いを解説します。
スケールサービスとコロケーションサービスの違い
スケールサービスとは、数メガワット規模のPOD(Performance Optimized Datacenter)(※)を貸し出すサービスのことです。大規模利用のスペースを貸し出すデータセンターは“ハイパースケールデータセンター”と呼ばれます。
スケールとコロケーションでは、貸し出すスペースの規模が異なります。スケールは、POD単位(200~300ラック分)を利用できる大規模スペースのため、急なラック数の増加にも柔軟に対応できる点が特徴です。
また、サーバーをPOD別で管理したり、複数のPODをつなげて管理することも可能です。
PODごとのセキュリティ設計やSLAの締結をするケースもあり、安全性やカスタマイズ性に優れたサービスといえます。
▼コロケーションとスケールの主な違い例
コロケーション |
スケール |
|
スペース |
1/4ラックから専用ケージまで対応 |
200~300ラック / サーバールーム |
※POD=データホール:ラックを収容するための部屋単位のスペース(1部屋1-3MW規模)を指す
ホスティングとコロケーションサービスの違い
ホスティングとは、サーバーの一部を事業者が借りるサービスのことです。レンタルサーバーとも呼ばれます。
コロケーションではサーバーを設置する“場所”を提供するのに対して、ホスティングではサーバーそのものを貸し出しています。そのため、サーバーの所有権はサービス提供側にあります。
▼コロケーションとホスティングの主な違い
コロケーション |
ホスティング |
|
サービス内容 |
スペースの貸し出し |
サーバーの貸し出し |
サーバーの運用・所有権 |
自社 |
データセンター事業者 |
クラウドとコロケーションサービスの違い
クラウドとは、インターネット上でサーバーの利用環境を提供するサービスのことです。
コロケーションでは自社サーバーを使うのに対して、クラウドコンピューティングでは事業者のサーバーを利用します。
またクラウドは、インターネットを経由してデータやソフトウェアを提供しています。サーバーの設置場所は問題としないため、コロケーションとは概念が異なります。
データセンターとクラウドについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
コロケーションサービスのメリット
企業がコロケーションサービスを利用するメリットはさまざまあります。ここでは、主な3つのメリットを紹介します。
①セキュリティ性が高い
データセンターは多様な企業の機密情報を安全に保管・管理するという性質上、強固なセキュリティ体制を整えていることが一般的です。コロケーションサービスを活用することで自社サーバーのセキュリティを確保できます。
具体的には、入退室管理システムや監視カメラ、生体認証といったセキュリティ設備が導入されています。またデータセンターによっては24時間365日有人監視体制で万が一の緊急事態に迅速に対応しているケースもあります。
②BCP対策に有効
コロケーションサービスの利用は、災害によるリスクを抑えられるため、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策にもつながります。
BCP対策とは、自然災害や人的災害などの緊急事態時にも、事業継続・早期復旧を目指すための対策です。
データセンターは、建物の構造や立地など、地震や水害などの災害リスクを考慮して建設されています。緊急事態が起きてもサーバーを止めることなく事業を継続する対策が施されています。
また、自社から離れたデータセンターにサーバーを保管することで、リスクを分散したBCP対策も行えます。
こちらの記事では、関西圏のデータセンターをBCP利用でうまく活用しているユミルリンク株式会社の事例を紹介しています。
③コストの最適化につながる
コロケーションサービスを利用することで、サーバー管理にかかるコストの最適化にもつながります。
自社にサーバーを設置する場合は、設置スペースやサーバーを冷却する設備、またセキュリティ対策の設備などが必要で、サーバーの管理にコストがかかります。
このような環境整備をデータセンターに任せることで、コストやリソースの最適化ができるという点もメリットです。
また近年はハイブリッドクラウドと呼ばれる、複数のサービスを組み合わせ運用も主流になってきています。コストや運用リソースの快適化を図るうえで、一つのサービスに頼るのではなく組み合わせを検討する企業が増えています。
まとめ
この記事では、コロケーションサービスについて、以下の内容を解説しました。
- コロケーションサービスとは
- コロケーションサービスとほかのサービスの違い
- コロケーションサービスのメリット
コロケーションサービスとは、データセンターの一部のスペースを借りて自社のサーバーを管理できるサービスのことです。
コロケーションサービスの活用は、セキュリティ面の向上や、万が一の災害を見据えたBCP対策、コストやリソースの最適化などのメリットが期待できます。
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