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Tier(ティア)とは? データセンターの品質基準を解説


データセンターの品質基準である、Tierをご存じでしょうか。

Tierは信頼性や災害耐性をもとに判定された、データセンターを選ぶ際の指標となる基準です。日本においては、Tierを参考にした独自の品質基準である“データセンターファシリティスタンダード”が制定されています。

そこで本記事では、Tierやデータセンターファシリティスタンダードについて解説いたします。


目次[非表示]

  1. 1.Tier(ティア)とは
  2. 2.データセンターファシリティスタンダードとは
    1. 2.1.ティア1
    2. 2.2.ティア2
    3. 2.3.ティア3
    4. 2.4.ティア4
  3. 3.データセンターの安全性の評価基準
    1. 3.1.①物理的セキュリティ
    2. 3.2.②仮想的セキュリティ
  4. 4.まとめ


Tier(ティア)とは

Tierとは、アメリカの民間団体“Uptime Institute”が定めた、データセンターの品質基準です。

信頼性や災害耐性などをもとにTier1~Tier4の4段階に分けられており、利用者が安全なデータセンターを選ぶ際の指標となります。なお、数字が大きいほど品質や付帯設備の格付けが高いことを表します。



データセンターファシリティスタンダードとは

グローバルな運用が想定されているTierに対し、日本独自の品質基準として制定されたのが、“データセンターファシリティスタンダード”です。

Uptime InstituteによるTierは、日本の実情に即していないという問題点がありました。たとえば、Tierのなかで推奨されている電源インフラは、日本で主流のものと異なっています。また、日本で発生頻度の高い地震に対する備えが重要視されていません。

このように、Tierで想定されている前提条件は日本において不十分な内容でした。

そこで生まれたのが、日本データセンター協会が定める、データセンターファシリティスタンダードです。データセンターファシリティスタンダードは、Tierをもとに、日本製品の品質の高さや地震リスクに対する評価を考慮し、調整がくわえられた基準です。

なお、データセンターファシリティスタンダードの分類も、Tierと同じく、品質を基準にティア1~ティア4の4段階で格付けされています。具体的にそれぞれの段階がどの程度の評価を表しているのか、一つずつ解説します。


ティア1

ティア1は、データセンターファシリティスタンダードのなかで、もっとも低い評価基準にあたります。

地震や火災など災害に対する安全性は、一般的な建物と同等の水準です。ただし、サーバー室へのアクセス管理の実施をはじめ、最低限の要件は満たす必要があります。


ティア2

ティア2は、安全性に関する基準はティア1と相違ありません。異なる点としては、自家発電できる設備を備えており、長時間の停電に対して継続してサービスを提供できるところです。

なお、ティア1とティア2に該当する建物は、複数テナントの利用が可能です。データセンターとしての用途だけではなく、企業がオフィスとして利用することもできます。


ティア3

ティア3になると、災害に対して非常に高い安全性が求められます。基準を満たすには、サーバー室およびデータ保管室に、1時間以上の耐火性能やガス系消化設備を備えなければなりません。

また、ティア3とティア4に該当する建物では、サーバー室のモニタリングも義務づけられています。


ティア4

データセンターファシリティスタンダードでの最高基準が、ティア4です。建物やサーバー室だけではなく、敷地に入る際も人による確認またはICカードによるアクセス管理が必要となります。

ティア4に該当するデータセンターを主に利用するのは、行政機関や金融機関などのセキュリティを最優先する組織です。



データセンターの安全性の評価基準

データセンターの安全性は、物理的セキュリティと仮想的セキュリティの2つの観点から確認できます。

前述のデータセンターファシリティスタンダードとともに、データセンターを選ぶ際の参考にしてください。


①物理的セキュリティ

まず確認したいのは、データセンターの物理的セキュリティです。データセンターは、何をおいてもサーバーを守らなければなりません。

多くのデータセンターは、物理的リスクから回避するため、都市部から離れた土地に建設されます。さらに日本においては、地震や津波に対する安全性の確保も重要なので、そのような災害リスクに対応したデータセンターを選びたいところです。

また、カメラや警備員が配置されたデータセンターなら、侵入者による盗難や攻撃を防げます。


②仮想的セキュリティ

データを扱っている以上、仮想的セキュリティも重要です。

データセンターには、利用者のデータを守るための厳しいネットワーク設定が求められます。サイバー攻撃を回避するために、厳格な監視ルールを策定し遵守しているかを確認したいところです。

なお、データセンターでは、サーバーのログを自動的に収集し異常を検出できる、SIEMツールを使用しているのが一般的です。



まとめ

この記事では、データセンターのTierについて以下を解説しました。


  • Tier(ティア)とは
  • データセンターファシリティスタンダードとは
  • データセンターの安全性の評価基準


Tierは、アメリカの民間団体が定めたデータセンターの品質基準です。日本においては、Tierをもととしたデータセンターファシリティスタンダードが制定されています。日本の環境に合わせた調整がされているため、安全なデータセンターを選ぶ際の参考になるはずです。

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