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サーバーのレプリケーションとは? バックアップとの違いも解説

サーバー障害は企業に大きな損失をもたらす可能性があるため、リスク管理が欠かせません。被害を最小限に留めるための事前対策の一つとして、レプリケーションやバックアップが挙げられます。

サーバーの管理担当者のなかには、「レプリケーションとバックアップの違いが分からない」「レプリケーションを行う際の注意点を知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、レプリケーションとバックアップの概要をはじめ、両者の違いやレプリケーションを行う際の注意点について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.レプリケーションとバックアップの概要
    1. 1.1.➀レプリケーションとは
    2. 1.2.②バックアップとは
    3. 1.3.③レプリケーションとバックアップの違い
  2. 2.レプリケーションを行う際の注意点
    1. 2.1.データの復元可否
    2. 2.2.レプリケーションにかかるコスト
    3. 2.3.レプリケーションの場所
  3. 3.レプリケーションと混同されやすいもの
  4. 4.郊外型データセンターでのレプリケーション
  5. 5.まとめ


レプリケーションとバックアップの概要

レプリケーションとバックアップは、どちらもデータの損失や障害を防ぐための有効な技術です。しかし、目的が異なるため、用途に合わせて適切な技術を選択する必要があります。


➀レプリケーションとは

レプリケーションとは、サーバーのデータを予備のサーバーにリアルタイムに複製することです。模造品を意味する“レプリカ”が語源になります。

レプリケーションを行う際は、同じシステム環境の機材を2セット用意して、サーバー自体を複製します。元のサーバーのデータが更新された際は、複製した予備のサーバーにも更新内容がリアルタイムで反映されます。また、予備のサーバーは、遠隔地のデータセンターへ設置することもできます。


②バックアップとは

バックアップとは、サーバー内のデータを複製して別のストレージへ保存することです。

データのバックアップは夜間や週末などに、自動・手動で定期的に行われます。過去の任意の時点におけるデータを復旧できる一方で、復元には時間を要します。そのため、連続稼働が求められるサーバーの危機回避措置としては適していません。


③レプリケーションとバックアップの違い

レプリケーションとバックアップの違いは、以下になります。


▼レプリケーションとバックアップの主な違い

項目
レプリケーション
バックアップ
複製を行う頻度
リアルタイム
1日1回・夜間・週末など、定期的に実施
復旧の早さ
即時
時間がかかる
データの復元可否
最新のデータのみ復元できる
過去の任意の時点におけるデータを復元できる
メリット
障害発生時でもダウンタイムがなくシステムを継続できる
オリジナルデータが破損した際に復旧できる


レプリケーションのメリットの一つに、障害発生時でもダウンタイムがなく、システムを継続できることが挙げられます。もしも、元のサーバーのシステムに障害が発生した際は、レプリケーションを行った予備のサーバーに切り替えることで、即時に復旧することが可能です。

一方、バックアップはデータ復旧に時間がかかりますが、元のサーバーのデータが喪失した場合でも、過去の任意の時点におけるデータを取り出して復元することが可能です。



レプリケーションを行う際の注意点


データの復元可否

レプリケーションの注意点は、データを復元できない場合があることです。

レプリケーションは、元のサーバーの状態を予備のサーバーへリアルタイムで同期させます。何らかの理由で元のサーバーのデータが破損・喪失した場合は、その状態が予備のサーバーにも反映されるため、データが上書きされてしまいます。

サーバーのデータが上書きされると、過去の任意の時点におけるデータを復元できません。システム障害やデータの喪失を防ぐためには、レプリケーションとバックアップを併用することが重要です。


レプリケーションにかかるコスト

レプリケーションの対象とするデータの量と種類は、レプリケーションのコストに大きく影響します。大規模なデータや、頻繁に更新されるデータは、レプリケーションに多くのコストがかかります。


レプリケーションの場所

レプリケーションの場所は、データのセキュリティと可用性を向上させるために重要です。レプリケーション先の場所は、データへのアクセスが制限されている場所や、自然災害の影響を受けにくい場所にする必要があります。例えばデータセンターは、常に電力が供給されており、温度と湿度が管理されており、セキュリティが強化されています。これらの要因はすべて、データの可用性と耐障害性を向上させます。


レプリケーションと混同されやすいもの

レプリケーションは、ミラーリングやアーカイブと混同されることがありますが、それぞれ目的が異なります。

ミラーリングは、レプリケーションと同様、元のサーバーの故障や破損への事前対策として行われます。レプリケーションとの違いは、サーバー内のデータを複数の外部ストレージに同時にコピーすることです。

同じデータを複数のストレージに書き込むため、多数のストレージが必要になります。そのため、ミラーリングは重要なデータのみを複製する際に利用されています。

一方、アーカイブとは、長期保存されたデータを必要な場面で参照することです。

電子帳簿保存法の改正により、帳簿書類の電子データの長期保存が義務づけられました。このような帳簿書類の電子データを保存する際に、アーカイブが利用されています。契約書や公文書などの保存データは、編集・改ざんできないようにして、必要なときに閲覧できる状態にすることが重要です。


郊外型データセンターでのレプリケーション

災害リスクが少なく地盤が固いロケーションに位置する郊外型データセンターにレプリケーションをしている場合、主要な都市で災害が起こった場合も、主要システムが稼働している状態で復旧活動を行うことができます。近年はBCPやDRといったニーズで郊外データセンターを選定する企業も増えています。


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大規模な自然災害やデータセンター障害が起きた際も安定したメール配信を可能にするためのオプションサービス「DRオプション」を提供しており、災害による懸念がなくなったため、安心してお客様へ進めれるサービスとなったユミルリンク株式会社の事例です。


まとめ

この記事では、レプリケーションとバックアップについて、以下の内容を解説しました。


  • レプリケーションとバックアップの概要
  • レプリケーションを行う際の注意点
  • レプリケーションと混同されやすいもの


レプリケーションとは、同じシステム環境のサーバーを丸ごと複製する手法であり、サーバー障害の対策として有効です。しかし、複製元のサーバーのデータが失われてしまうと復元が困難になるため、バックアップとの併用が望ましいといえます。

また、予備のサーバーは、遠隔地のデータセンターに設置することも可能です。

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なお、サーバー構築のポイントについては、こちらの記事をご覧ください。

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